研究課題
基盤研究(B)
多発性硬化症(MS)は自己免疫反応により中枢神経系に障害が起こる疾患であるが、根治療法は確立されておらず、特に進行性病態に有効な薬は限られている。MSの進行や治療応答性には加齢が大きく影響することが知られている。しかし、本疾患の病態形成と免疫系の加齢変化(免疫老化)との関係性はほとんど分かっていない。そこで本研究は、免疫老化の基盤にあり組織炎症にも関与する加齢変容性のリンパ球が、MS病態のダイナミクスあるいは進行に寄与するメカニズムを明らかにする。さらに、治療困難なMSを抑制する新たな方途の開発を目指し、加齢変容性リンパ球を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法の確立につなげる。