研究課題
基盤研究(B)
ゲノムの安定性は細胞状態の維持に不可欠である一方、その破綻は、遺伝子変異の獲得を通してクローン進化を促進する。スーパーエンハンサーはクロマチンが広く開いた構造を示し、通常は細胞にとって必要な遺伝子の発現維持に働いている。我々は、スーパーエンハンサーが構造異常の原因と成り得るとの仮説を立て、成人T細胞性白血病を対象として検証した結果、p53遺伝子ファミリーに属するTP73遺伝子に注目した。本課題では、その仮説をさらに発展させ、成人T細胞性白血病を含む難治性腫瘍におけるTP73遺伝子の生物学的な意義、TP73スーパーエンハンサーと構造異常の因果関係、また、その臨床的意義について検討する。