| 研究課題/領域番号 |
24K02604
|
| 研究種目 |
基盤研究(B)
|
| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
|
| 研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
園田 康平 九州大学, 医学研究院, 教授 (10294943)
|
| 研究分担者 |
中島 欽一 九州大学, 医学研究院, 教授 (80302892)
武田 篤信 大分大学, 医学部, 教授 (40560313)
村上 祐介 九州大学, 大学病院, 講師 (50634995)
石川 桂二郎 九州大学, 医学研究院, 助教 (00795304)
藤井 裕也 九州大学, 大学病院, 医員 (90962572)
|
| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
|
| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
| 配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
|
| キーワード | 視機能形成 / ロドプシン / 低分子化合物 / 線維化抑制 / 網膜 / 再生医療 / 低分子カクテル |
| 研究開始時の研究の概要 |
申請者は、視機能喪失前に原疾患治療と同時に、内在細胞リプログラミングにより視細胞再生を行う「“急性期”再生医療」を提案してきた。これまで網膜内在ミュラー細胞を視細胞へ分化誘導し、網膜へ定着し機能回復させる4種の低分子化合物を同定した。4種低分子化合物を急性期に投与することで、ロドプシン陽性細胞が増え、視機能が保持される。一方でその効果は限定的で、真の視機能保持とはギャップが存在した。本研究では①視細胞への分化効率上昇と②定着スペース拡大の2つの要素を加えることで、真の視機能形成を実現する。
|
| 研究実績の概要 |
眼科領域での再生医療は目覚ましく発展し、ES細胞やiPS細胞を用いて網膜細胞を再構成できるようになった。一方、幹細胞由来細胞を補充する再生医療には倫理的・経済的ハードルがあり、機能再生まで道のりは長い。申請者は、視機能喪失前に原疾患治療と同時に、内在細胞リプログラミングにより視細胞再生を行う「“急性期”再生医療(図1)」を提案してきた。これまで網膜内在ミュラー細胞を視細胞へ分化誘導し、網膜へ定着し機能回復させる4種の低分子化合物を同定した。4種低分子化合物を急性期に投与することで、ロドプシン陽性細胞が増え、視機能が保持される。一方でその効果は限定的で、真の視機能保持とはギャップが存在した。本研究では①視細胞への分化効率上昇と②定着スペース拡大の2つの要素を加えることで、真の視機能形成を実現する。 網膜変性疾患、加齢黄斑変性、網膜剥離、ぶどう膜炎など種々の網膜疾患により傷害を受けた視細胞は萎縮し、永続的な視機能障害を引き起こす。我々はこれまで、網膜内在ミュラー細胞を視細胞へ分化誘導することにより網膜機能を回復させる、以下の4種類の低分子化合物を同定した1:トランスフォーミング成長因子β阻害剤、2:骨形成タンパク質阻害剤、3:グリコーゲン合成酵素キナーゼ3β阻害剤、4:γ-セクレターゼ阻害剤、である。本研究では、これまで以上の網膜機能回復を低分子化合物投与で目指す。本研究の核心をなす問いは「X:視細胞への分化効率の上昇、Y:定着スペースの拡大、という作用を有する低分子化合物を同定した上で、それらを我々の先行研究で同定した4種低分子化合物に加えることで、真の視機能形成を実現することである。
|
| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
3: やや遅れている
理由
Hippoシグナルを阻害する化合物を、我々が同定した4種類の低分子化合物と併せてミュラー細胞に刺激を行い、in vitroでロドプシン誘導能を測定し、(X)の候補化合物のスクリーニングを行った。Hippo経路の主要な成分は、Mst1/2、LATS1/2、そしてエフェクターであるYAPとTAZである。Mst1/2とLATS1/2は、YAPとTAZをリン酸化し、細胞質に留めて活性を阻害する。YAPとTAZが脱リン酸化されると、核に移行し、TEAD1-4などの転写因子と相互作用し、細胞増殖を促進する遺伝子の発現を誘導する。今回はs4種化合物にHippoシグナル阻害薬であるVerteporfin、XMU MP 1、PFI 2 hydrochlorideを加えて、誘導能効率を比較した。Verteporfinによってロドプシン誘導能が増強されたが、思ったよりも軽微な影響であり、引き続き化合物の検索とスクリーニングを行う予定である。 また線維化を来す前の正常網膜色素上皮細胞(RPE)およびミュラー細胞と、実際の線維組織での遺伝子のバルク解析を行った。線維化モデルマウスは、増殖硝子体網膜症モデル (kimba/Akimbaマウス)とレーザー誘導性AMDモデルを用いた。線維組織の形態学的評価は動物用光干渉断層計を用いた。皮膚、心臓、肺など他領域疾患における線維化メカニズムとの比較を行い、眼疾患特異的線維化メカニズムや治療標的となりうる分子経路の探索を行った。現在のところバルクレベルでの解析を終了したが、大きな差異が見つかっていない。今後シングルセルレベルで検討をすすめる予定である。
|
| 今後の研究の推進方策 |
スクリーニングに時間がかかることは予想していたが、特に線維化抑制部分Yについては領域を広げて、眼局所にかかわるファクターだけでなく、広く筋線維芽細胞を誘導する分子をスクリーニング系に加えていく。
|