研究課題
基盤研究(B)
トキソプラズマは、全世界人口の約1/3に潜伏感染する人獣共通感染原虫であり、ほとんどの感染者は無症状のまま生涯を過ごす。しかし、潜伏中の宿主への影響については解明されていない点が多い。申請者は予備実験により、トキソプラズマの潜伏感染が、抗ウイルス活性を持つ種々の自然免疫関連遺伝子群の発現を亢進させ、ウイルスに対する抵抗性を増強する可能性を見出した。本研究では、潜伏感染病原体の共感染が他の病原体への免疫機能を改変するという独自の視点により、トキソプラズマをモデルとした「寄生虫の潜伏感染」「宿主の抗ウイルス自然免疫」「ウイルスの病原性」の連関について、包括的に理解することを目指す。