| 研究課題/領域番号 |
24K02707
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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| 研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
河西 千秋 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50315769)
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| 研究分担者 |
張 賢徳 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所, 所長 (00297136)
大塚 耕太郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00337156)
太刀川 弘和 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10344889)
川島 義高 明治大学, 文学部, 専任准教授 (20647416)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2027年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2026年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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| キーワード | 自殺対策 / 自殺未遂者 / 一般救急 / 精神科救急 / 救急患者精神科継続支援料 / データ登録 / レジストリー / レジストリ‐ / 心理的危機介入 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本自殺予防学会と、自殺未遂者医療のための診療報酬項目、「救急患者精神科継続支援料」(継続支援料)を算定する医療施設、および日本精神科救急学会との協働により、日本の自殺未遂者の心理社会的実態を明らかにするとともに、全国自殺未遂患者登録システムの構築と運用を目的として実施される。システムに登録するデータは、継続支援料算定に際して入力される詳細かつ精確な患者データを用いる。また、これまでほとんど実態把握が困難であった精神科病院を受療する未遂者の心理社会的実態の把握と心理的危機介入のための予備的研究を実施し、得られたデータの全国自殺未遂者登録システムへの導入を検討する。
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| 研究実績の概要 |
日本は、世界有数の高自殺率国であり、日本において自殺対策は喫緊の課題である。特に自殺未遂者は自殺の高リスク群であることが知られ、未遂者の自殺再企図防止対策が、自殺総合対策大綱において重点施策として掲げられている。この社会的課題を背景に、本研究は、「救急患者精神科継続支援料」を算定する医療施設との協働により、日本の自殺未遂者の心理社会的実態を明らかにするとともに、全国自殺未遂患者登録システムの構築と運用を目的として実施するものである。2024年度は、代表・分担・協力研究者等により、本研究に用いる総合病院の一般救急部門に搬送された自殺未遂患者情報登録シートを作成した。そして、救急医療部門と精神科を有し、救急患者精神科継続支援料を算定している北海道内5総合病院で研究班を構成し、研究を実施した。これら5施設において研究倫理審査の承認を得て、救急患者精神科継続支援料を算定した自殺未遂患者を対象に患者の自殺企図行動に関する情報と心理社会的情報を収集し、集計、解析を行った。5病院において救命し得た529名のうち、救急患者精神科継続支援料が算定されたのは107名(20.2%)であった。対象年齢は、最年少11歳、最年長94歳と幅広く、そのほとんどで致死性の高い企図手段が用いられ、15名(14%)で複合的な手段がとられていた。精神科診断はF3とF4で全体の70%以上を占め、うつ病、適応障害が多数を占めた。自殺企図動機は多いものから健康問題、家庭問題、経済的困窮であり、警察庁による全国調査の傾向と同様であった。2024年度は、これらの成果を公表し、さらに代表・分担・協力研究者等との協議を進め、2025年度中の、他県の総合病院の本研究の参加とデータ連結を詳細に検討した。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では、救急医療部門と精神科を有し、救急患者精神科継続支援料を算定している総合病院精神科に本研究の主旨を記した文書を配信し研究への参加を募集するとしており、また、2024年度から26年度にかけて、漸次、北海道内から本州以南へと段階的に共同研究施設を拡張するとしていた。また、本研究の代表・分担研究者等により本研究独自の患者情報登録シートを作成し、参加施設の協力のもとに、適切な研究倫理審査・承認の手続きを経て、救急患者精神科継続支援料を算定した自殺未遂患者に関する情報を収集し、集計、解析を行うとしていた。この当初計画をほぼすべて満たす形で研究が進捗している。
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| 今後の研究の推進方策 |
本研究は、日本の自殺対策施策に活用可能な全国自殺未遂者登録システムの構築をアジェンダとしている。このことから、2025年度から27年度までの3か年でさらに全国の総合病院へと共同研究施設を拡張する。また、2025年度は、研究班内にワーキング・グループを設置し、収集された自殺未遂患者データから、「自殺未遂者登録」に必要なデータを選定し、オンライン登録用シートの試行版を作成し、登録システムをPC、もしくはクラウド上で予備的に構築する(令和7年中)。この予備的システムを10程度の施設において試行的に運用し、修正、変更とを行いながら最終的なオンライン登録システムを構築する。さらに、一般病院だけでなく、広く自殺未遂患者を把握するために、精神科病院を受療する自殺未遂患者の把握と、自殺未遂者登録のための研究班体制を検討する。登録システムの均質性を堅持するために、精神科病院においても、「救急患者精神科継続支援」と同様のアサーティヴ・ケースマネジメント介入を実施するための研究体制を構築し、一般病院と同様の自殺未遂者登録シートを運用することを基本に、研究を推進する予定である。
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