研究課題
基盤研究(B)
動的環境の「今」の状態に、運動を時間的に一致させること(タイミング一致) は様々な運動行為に不可欠である。ただし、環境の状態を知らせる感覚信号が脳に伝達されるまでには時間がかかる。つまり、神経信号のレベルでは、環境の状態は常に遅れて脳に伝達される。この遅延を何らかの方法で補正しなければ、我々は動的環境の「過去」の状態を認識してしまうことになり、「今」の状態に応じた運動は困難となる。特に、ミリ秒単位の一致が求められるスポーツでは看過できない問題である。本研究では、この予測的知覚の形成に脳の運動系が関与すること、運動系の予測誤差の利用が高精度な予測的知覚形成に貢献するという仮説を検証する。