研究課題
基盤研究(B)
生物が化学物質を拡散的に放出し同種・他種を抑制する現象は、植物ではアレロパシーとしてよく知られる。一方、動物が拡散的に放出する化学物質の他種への影響は報告がないが、単に見過されてきただけかもしれない。本研究では、侵略的外来魚カダヤシの雌が水中に放出する化学物質が同種・他種に干渉的影響を与えているという仮説をテストする。物質の同種・他種に対する作用や効果を明らかにすることに加え、物質の同定をめざす。本研究が完成すれば、侵略的外来種席巻メカニズムの1つとして他種を抑制する化学物質の放出行動が重要である可能性を指摘できる。また、化学物質を介した水生動物の種間競争という新しい水圏生態系観が拓かれる。