| 研究課題/領域番号 |
24K03142
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分64050:循環型社会システム関連
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| 研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
渡 卓磨 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環領域, 主任研究員 (10845811)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2026年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2025年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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| キーワード | 物質フロー / 脱炭素 / リサイクル / 鉄鋼 / コンクリート / 木材 |
| 研究開始時の研究の概要 |
素材生産に伴う温室効果ガス排出は年々増加の一途を辿っており、脱炭素化が急務である。しかし「脱炭素社会の実現において世界各国は素材をどのように加工・利用・循環させる必要があるのか」は科学的に明らかになっておらず、関係主体の一体的取り組みを支援できていない。本研究は、脱炭素社会の必須素材である鉄鋼・コンクリート・木材・希少金属を対象に、全世界における物質フロー構造と脱炭素化経路を解明することを目的とする。研究成果は、関係主体の責任と機会を具体化すると共に、世界的な物質フロー構造の転換に向けた国際的議論を喚起する。
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| 研究実績の概要 |
2024年度は鉄鋼を対象物質として、世界の主要30ヵ国における物質フロー構造の現状を解析した。その結果、鋼材製品に含まれるリサイクル材の割合は、過去20年間にわたり世界全体で概ね30%の水準で推移していることが明らかとなった。加えて、一部の国における高いリサイクル材含有率は、他国の低い含有率を前提とした構造である可能性が示された。これらの知見は、循環型社会や循環経済の実現には、各国単位の取り組みだけでは限界があり、国際的な協調のもとでのルール整備が不可欠であることを示唆している。 さらに、次年度以降に予定している脱炭素経路の解明に向けた基礎的な情報収集として、グリーン水素を用いた製鉄に関する既存研究を調査した。その結果、グリーン水素を用いた鉄鋼生産は短期的には限定的であり、2030年時点での全鋼材生産に占める割合は約2%にとどまる可能性が高いことがわかった。一方、2040年以降に急速な普及が始まり、2050年には全鉄鋼生産の35%強に達するとの見通しが得られた。これらの結果は、グリーン水素を用いた製鉄技術が脱炭素戦略の中で果たすべき役割を明確にする上での基礎情報となる。すなわち、累積的な排出削減が求められる中、即効性のある排出削減策の実施が喫緊の課題であり、グリーン水素は長期的な転換を支える選択肢の一つとして、戦略的に位置づけられるべきことが示唆された。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
鉄鋼を対象に行った解析の結果、当初は予想していなかった発見が得られたため、本年度はその部分をさらに深掘りすることになった。この進展は、当初の計画を上回る成果として評価できる。一方で、それに伴うトレードオフとして、当初予定していた他の物質に関する解析の開始が遅れてしまったため、全体としてはおおむね順調に進展していると判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
鉄鋼を対象とした解析のさらなる深掘りを進めるとともに、他物質の解析に着手する。既にプラスチックと骨材を対象としたデータに関しては、共同研究機関であるウィーン天然資源大学の協力のもとで基礎情報の整備を進めており、2025年度中の公開を目指す。
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