| 研究課題/領域番号 |
24K03153
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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| 研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
高橋 潔 国立研究開発法人国立環境研究所, 社会システム領域, 副領域長 (00291047)
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| 研究分担者 |
横畠 徳太 国立研究開発法人国立環境研究所, 地球システム領域, 主幹研究員 (20391170)
高倉 潤也 国立研究開発法人国立環境研究所, 社会システム領域, 主任研究員 (50785243)
藤森 真一郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (80585836)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2026年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2025年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2024年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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| キーワード | 気候影響 / ティッピング / 食糧 / フィードバック / 開発速度 / 開発 |
| 研究開始時の研究の概要 |
気候影響間での相互作用ならびに気候影響被害により懸念される世界各国での開発の遅延が適応能力や緩和能力に時間蓄積的に及ぼす効果を考慮した場合、将来の全球規模の影響被害はどの程度増減するのかを論じるべく、生産要素や技術関連変数への気候影響の時間蓄積を考慮するための応用一般均衡モデルAIM/Hubの改良、気候影響が開発速度に及ぼす影響の包括的整理ならびに主要影響の定量化戦略の検討、気候影響予測出力データならびに簡易影響予測手法の収集・整備、大規模事象の最新研究知見把握とそれが各部門の気候影響に及ぼす潜在的作用の調査、開発速度へのフィードバック影響を時間蓄積的に考慮した気候変動影響予測、を実施する。
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| 研究実績の概要 |
本研究では、(i)生産要素や技術関連変数への気候影響の時間蓄積を考慮するためのAIM/Hubモデル改良、(ii)気候影響が開発速度に及ぼす影響の整理と主要影響の定量化戦略の検討、(iii)気候影響予測出力データや簡易影響予測手法の収集・整備、(iv)大規模事象が各部門の気候影響に及ぼす潜在的作用の調査、(v)開発速度へのフィードバック影響を蓄積的に考慮した気候変動影響予測、を研究目標として設定している。 このうち研究目標(i)ならびに(ii)に関連して、農業経済影響の精緻化のために試行的に高解像度農業経済モデルの開発を行った。具体的には、AIM/Hubモデルを用いた「気候変動による食料安全保障への国別スケールでの影響評価」ならびに「気候変動を考慮した将来の農業市場の分析」を実施した。 また研究目標(iv)について、大規模事象(ティッピングエレメント)に関する最新の科学的知見の網羅的調査を行った。具体的には国際報告書Global Tipping Point Report 2023を中心に、関連の最新文献を収集し、気候影響に及ぼす潜在的作用の観点から最新知見の整理を実施した。 研究目標(iii)について、全球規模の気候影響の経済評価に関する統計的モデルと構造的モデルのレビューを通じて、その推計値に幅が生じることの原因について考察した。経済成長率の低下に注目した統計的モデルで特に大きく気候変化の経済影響が予測されることなど、その考察の概要について国際研究会合Climate Finance & Risk 2024で報告した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究期間初年度(2024年度)には、研究目標のうち特に、(ii)気候影響が開発速度に及ぼす影響の整理と主要影響の定量化戦略の検討、(iii)気候影響予測出力データや簡易影響予測手法の収集・整備、(iv)大規模事象が各部門の気候影響に及ぼす潜在的作用の調査について取り組むことを計画していた。研究実績概要に記したように、いずれについても当初計画に沿って研究に取り組めている。 研究目標(iii)については、全球規模の気候影響の経済評価に関する統計的モデルと構造的モデルのレビューを通じて、その推計値に幅が生じることの原因について考察した。研究目標(iv)については、地球―人間システムの長期的な安定性の検討に関連し、氷圏、生物圏、海洋・大気循環に関する地球システムのティッピング、地球システムのティッピングが人間社会や生態系に及ぼす影響、ティッピングの連関などの知見整理を行った。いずれも査読付研究論文としての研究成果公表には至っていないが、国内外の研究会合において研究成果報告に取り組むことができている。 また、研究目標(i)についても、気候影響の時間蓄積に関連して、農業・食料関連の分析の高度化について、取り組むことが出来た。さらに当該影響について、開発速度への波及影響を今後より明示的にモデル内で考慮していくこととなる。 今後、研究期間後期には、これまでの取り組みをふまえて本研究課題の主研究目標である研究目標(v)に取り組むことになる。
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| 今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に基づき概ね順調に研究を実施できていることから、大きく研究計画の変更を行うことなく、当初の研究目標・計画に沿った研究実施に努めることが基本的な推進方策となる。 研究の周辺状況として、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第7次評価報告書(AR7)への貢献に向けた研究コミュニティとしての取り組みが活発化している。特に、社会経済シナリオ~排出シナリオ~気候予測~気候影響予測~社会経済発展へのフィードバック、について統合的に論じることへの社会的ニーズは高く、本研究課題は正面からその統合シナリオ開発のボトルネック解消に挑むものであることから、当該報告書の作成に関する国内外の研究動向把握を継続的に実施し、研究のインパクトの最大化に努める。なお、IPCC-AR7の作成プロセスにおいて研究結果が評価対象として扱われるためには、2027年中の論文投稿・掲載受理が必要条件となることから、研究成果の論文出版計画についてはIPCC-AR7の作成プロセスを確認しつつ、タイミングを逃さないように決定する。 また、地球システムのティッピングについては、国際研究集会での最新知見の情報交換が活発に行われており、本研究の取り組みについても積極的にその公表に努める。 気候影響予測出力データや簡易影響予測手法の収集・整備については、気候影響予測モデルの国際比較評価プロジェクトであるISIMIPが気候影響予測情報の集積・配信を継続的に実施しており、その積極的活用を検討する。
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