研究課題
基盤研究(C)
近年の思想史的研究では、哲学者の著作や論文において示されている思想だけでなく、その生き方や教育者としてのあり方などについても詳述される傾向がある。だが、哲学者の思想を知るために、当人についてどのような、またどのぐらいの伝記的な情報が必要なのだろうか。本研究の目的は、哲学研究における自伝・伝記の意義を明らかにすることである。とりわけ、哲学者を理解することが、その哲学の理解や評価にどのような仕方で貢献しうるのかを明確にすることを目的とする。この目的のために、すぐれた自伝や伝記のあるJ.S.ミル、ニーチェ、ウィトゲンシュタイン、ラッセルなどを具体的事例として取り上げて検討を行う。