研究課題
基盤研究(C)
本研究課題は、スコットランド啓蒙の中心人物の一人デーヴィッド・ヒュームの哲学をキリスト教神学との関係という側面から解明する。ヒューム哲学は懐疑主義的経験論哲学として知られるが、従来それが素朴な無神論を意味するものとして扱われがちであった。そのためキリスト教神学から受けた影響が十分に評価されてきたとは言い難い。本研究は無神論者ヒュームという偏見を前提にせず、ヒュームが受けた同時代の神学理論との関係を精査する。そしてヒューム哲学を、自然神学や理神論の批判を通して道徳と宗教に共通の基礎を提示する理論として再構築しようとするものである。