研究課題
基盤研究(C)
本研究課題は主に21世紀以降、哲学を含む複数の学問分野で復興してきた汎心論的な世界像の可能性と問題点について、20世紀前半以前の古典的な汎心論との存在論的なレベルの対話を通じて検討することを目的とする。20世紀後半の物理主義の確立以後、近年唱えられ始めた汎心論は物理主義の枠を守りながら、物理主義ゆえに突き当たる形而上学的な問題に一定の合理的回答を与える新たな必要性から興ってきた特徴がある。しかし物理主義に則った「心」は古典的汎心論から見ると性質上限定されており、反対に古典的汎心論にも現代の物理的世界像との齟齬という課題がある。よって両者を対話的に洗練させることが本研究課題の目的となる。