研究課題
基盤研究(C)
本研究は、第一に、現代フランスにおけるケアの哲学に着目する。これまでこの点については英語圏の議論が中心であったが、多様な理論的なリソースを活用した現代フランスの議論を導入することにより、日本でのケアの哲学・倫理学研究にさらに理論的なフレームを提示することができる。第二に、私がこれまでに研究してきたレヴィナスの哲学思想は、これまでさほど強調されてこなかったが、こうした「ケア」の具体性・多様性についての根本的な省察を提示するように思われる。本研究は、現代フランスのケアの哲学を参照項とすることで、レヴィナスにおける「ケアの現象学」という新たなアプローチを提示する。