研究課題
基盤研究(C)
宗教と科学が対立するという見方の根幹には、宗教の本質が「非合理的なもの」であるという考え方がある。それは古くから存在してきたが、20世紀前半、特にワイマール共和制期ドイツの宗教学者・神学者であるオットーやハイラーらにより学問的にも堅固となり、その後に継承された。それは当時の宗教において本質的とされただけでなく、それを探究する宗教学の方法論にも影響を与えた。本研究は、これまでのハイラー研究を基盤とし、同時代の宗教学者・神学者に関する文献資料を精査し非合理主義的宗教学の形成過程を辿ると同時に、当時の諸宗教運動・芸術諸運動に関する資料も確認することで「非合理的なもの」の形成過程やその影響を解明する。