研究課題
基盤研究(C)
本研究課題は、音楽文化について「西欧」を中心に階層化・構造化された関係を「音楽世界システム」と捉え、その中で「東欧音楽」が辿ってきた歴史を考えようとするものである。検討の中心に置くのは、リゲティとクルターグの作品である。二人の作品は、西欧の伝統を相対化し、さらにそれを裏側から補強するものであり、これは「東欧」の作曲家達が「西欧」に対して取らざるを得なかった距離や韜晦を考える上で、非常に示唆的な事例である。本研究では、リゲティの様々な「協奏曲」やクルターグの『遊び』など、いくつかの作品群を対象として、それらを合わせ鏡のように用いながら、しかも二人の作品の比較を行いつつ解明してゆく。