研究課題
基盤研究(C)
日本の芸能における「女性演者だけによる一座」の形成については、芝居等が先鞭をつけ、明治期半ば以降に浪花節が後を追う形となった。大正期から昭和期、女性演者のみによる一群の「女流団」が、隆盛をみたのである。一方、「女流団」について、従来の浪花節史はほとんど言及してこなかった。本研究は、歴史の中に埋もれてきた「女流団」に焦点を定め、「女流団」で活動した演者たちが吹き込んだSPレコードの採譜と分析を通して、浪曲史における「女流団」の位置づけと意味とを、音の面から逆照射しようとするものである。