本研究は、今まで未開拓であった里村昌琢の連歌資料を調査し、活動の全容を明らかにしつつ、里村家の連歌が近世にどのように継承されていったのかを検証するものである。昌琢の子孫は代々連歌宗匠家として連歌の家の務めを果たしていくことになるため、その伝統を作り上げた昌琢の研究は近世連歌を知る上で極めて重要になる。また、昌琢は連歌師のみならず斎藤徳元・松江重頼・西山宗因ら俳諧作者を多く門弟にしていることから、連歌が初期の俳諧にどのような影響を与えたのか、という問いも明らかにしたい。昌琢の活動を知ることで、近世の連歌のありようと俳諧と連歌の関わりを検証することができると考えている。
|