研究課題
基盤研究(C)
本研究は森鴎外の歴史叙述を手がかりに、鴎外作品全体を貫く学問の基盤を見定めることによって、鴎外が西洋からの知識をいかに日本近代の人文学的学知に取り入れたか、その結果日本の近代化をどのように推進していったか、考察するものである。具体的には、①ドイツプロテスタント神学の政治的役割とそれに対して鴎外が行った評価、②ドイツの知識人たちの「神話」を巡る議論と鴎外における受容の2点について、ドイツ及び日本の文献の調査・発掘を行う。その調査を踏まえ、鴎外の歴史叙述に見られる方法を詳細な作品分析を通して多角的に考察する。