研究課題
基盤研究(C)
江戸時代には、孝行者の表彰が盛んに行われた。孝が強く信頼されていた道徳であること、表彰という政治行為と孝子伝という文学行為とが絡みあったこと等から、きわめて大きな文化的喚起力を有していたと言える。ではこの江戸の孝文化は、どこまで及んだのか。その境界では何が行われていたのか。それを見定めようというのが本研究の目的である。検討に際しては、「都市部」「辺境地域」に対象を絞り「文献調査」「内容の精読」「現地踏査」の3つの方法を用いる。この研究によって、これまで明らかでなかった近世孝文化の輪郭が明らかになる。さらに、「道徳と支配地と表現」という問題が明らかになることが期待される。