研究課題
基盤研究(C)
本研究は、島津家・薩摩藩関係者が著した諸文献のなかから、文禄・慶長の役に関する記事・言説を収集し、そこからこの戦争に対する認識とその変遷を把握する。その際、薩摩藩内での著作・編纂活動とその推移に注目し、とくに藩士の先祖にあたる戦国期の人物たちの言行を語る話題を集めた〈戦国逸話集〉が量産されることの文学史的意義を問う。併せて、藩主の文業にも目をくばり、この地域ならではの文禄・慶長の役観に多角的に迫る。そしてその成果を、他藩・他地域の状況を解明していくためのモデルケースとして定位する。