本研究では、リチャード・ハックルートやサー・ウォルター・ローリーなど初期近代イングランドで書かれた航海記のほか、現存する公文書やパンフレットなど歴史的基礎資料を駆使して、イングランドと新世界との接触を舞台化した演劇作品を歴史事象的に検証し直し、その地域に対するイングランドの実際を時系列的かつ動態的に明らかにする。そして、これらの演劇作品が執筆された当時と王政復古期の文学研究に新たな解釈の可能性を開こうとするものである。また、本研究によって英米が他者を取り込む実際を明らかにすることが可能となり、フォークランド諸島やウェーク島など新世界で生じている領土問題解決の一助とする。
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