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アメリカン・モダニズムのポストヒューマン研究

研究課題

研究課題/領域番号 24K03748
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02030:英文学および英語圏文学関連
研究機関九州大学

研究代表者

高野 泰志  九州大学, 人文科学研究院, 教授 (50347192)

研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワードポストヒューマン
研究開始時の研究の概要

モダニズム作家たちがいかにポストヒューマン的発想を文学作品に描いてきたかを論じるために、まずはモダニズムの先駆者としてのヘンリー・ジェイムズの幽霊物語をポストヒューマンの観点から研究し、モダニズムの中心作家としてヘミングウェイ、フィッツジェラルド、フォークナーの戦争テクノロジーの表象を検討する。また同時期のSF小説も扱うことによって、既存のポストヒューマン研究との接続を図る。

研究実績の概要

本年度は、アメリカン・モダニズムのポストヒューマン研究に関する研究の一環として、主にヘンリー・ジェイムズとイーディス・ウォートンの幽霊物語を中心に研究を進めた。研究計画の第一段階として、心霊主義の影響下でモダニズム文学に表れる幽霊表象をポストヒューマン的概念として捉え直す作業に着手した。
この研究の一環として、九州産業大学で「「ねじの回転」をめぐる沈黙の共謀」という招待講演を行い、ジェイムズの代表的幽霊物語である『ねじのひねり』を論じることによって、従来の心理学的な読解を超えて、幽霊を「人間以降」の存在として捉えるポストヒューマン的読解の可能性につなげることができた。
また、日本英文学会全国大会(東北大学)および日本アメリカ文学会全国大会(中京大学)に参加し、研究に関連する研究発表やシンポジウムを聴講することで、最新の研究動向を把握するとともに、研究者ネットワークの構築を行った。特に明治大学で行われたエコゴシック研究会「越境するエコゴシック:アメリカ小説と環境人文学」にディスカッサントとして参加し、エコクリティシズムとポストヒューマニズムの接点について議論を深めることができた。
これらの活動を通じて、モダニズム文学における幽霊表象が単なるオカルト的現象ではなく、人間心理の投影として機能し、「人間」の定義そのものを問い直す契機となっていることを明らかにしつつある。初年度の研究では、ジェイムズとウォートンの作品に見られる幽霊表象をポストヒューマン的視点から読み解く理論的枠組みを構築することができた。次年度はこの枠組みをもとに、戦争と機械テクノロジーの表象へと研究対象を広げる予定である。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究「アメリカン・モダニズムのポストヒューマン研究」は、当初の研究計画に沿っておおむね順調に進展している。今年度はヘンリー・ジェイムズとイーディス・ウォートンの幽霊物語を中心とした研究について、予定通り文献調査と分析を進め、九州産業大学での招待講演「「ねじの回転」をめぐる沈黙の共謀」においてその成果の一部を発表することができた。
特に、従来の心理学的な読解を超えて幽霊表象をポストヒューマン的概念として捉え直すという研究の核心部分については、具体的な作品分析を通じて理論的枠組みを構築することができた。また、日本英文学会全国大会および日本アメリカ文学会全国大会への参加を通じて、関連分野の最新動向を把握し、研究方法の精緻化を図ることができた。
エコゴシック研究会「越境するエコゴシック:アメリカ小説と環境人文学」にディスカッサントとして参加したことは、当初の計画にはなかった展開であるが、エコクリティシズムとポストヒューマニズムの接点について考察を深める機会となり、研究の視野を広げることができた。これは次年度以降の研究の発展にも寄与する成果である。
現在、今年度の研究成果を論文としてまとめる作業を進めており、次年度の研究テーマである「モダニズム文学と戦争テクノロジー」への展開に向けた準備も整いつつある。したがって、研究計画全体としては当初の予定通りおおむね順調に進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

本研究の次年度以降は、研究計画に沿って研究対象と視点を拡大していく予定である。特にヘミングウェイ、フォークナー、フィッツジェラルドといったアメリカのモダニスト作家たちの作品における戦争と機械テクノロジーの表象をポストヒューマン的観点から検討する。そのため、初年度に構築した理論的枠組みを基盤としながら、テクノロジーによる身体の断片化や加工といったテーマへと分析を発展させる。
具体的な研究推進方策としては、まず今年度の研究成果を学術論文として発表し、その上で、ヘミングウェイの『日はまた昇る』や『武器よさらば』、フォークナーの『兵士の報酬』、フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』などの作品における身体と機械の関係性について精緻な分析を行う。
また、国内外の学会での発表を通じて研究成果を積極的に公開し、専門家からのフィードバックを得ることで研究の質をさらに高める計画である。特に海外の研究者とのネットワーク構築を進め、国際的な視点からも研究を深化させたい。
3年間の研究全体を通じて、モダニズム文学研究とポストヒューマン研究の有機的な接合を実現し、新たな文学研究の地平を切り開くことを目指す。

報告書

(1件)
  • 2024 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 「ねじの回転」における沈黙の共謀2024

    • 著者名/発表者名
      高野泰志
    • 学会等名
      日本ヘンリー・ジェイムズ協会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 現地人と観光客の狭間で:『日はまた昇る』における隠された歴史・文化的背景2024

    • 著者名/発表者名
      高野泰志
    • 学会等名
      日本ヘミングウェイ協会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [図書] アメリカ映画史入門2024

    • 著者名/発表者名
      杉野健太郎ほか
    • 総ページ数
      460
    • 出版者
      三修社
    • ISBN
      9784384060379
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書

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公開日: 2024-04-05   更新日: 2025-12-26  

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