問いとしての「始まり」と「応答責任」――フィッツジェラルド作品における時間論再考

• 研究課題/領域番号: 24K03752
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 審査区分: 小区分02030:英文学および英語圏文学関連
• 研究機関: 東北学院大学
• 研究代表者: 井出 達郎 東北学院大学, 文学部, 准教授 (60635986)
• 研究期間 (年度): 2024-04-01 – 2027-03-31
• 研究課題ステータス: 交付 (2024年度)
• 配分額: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円); 2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円); 2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円); 2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
• キーワード: F. スコット・フィッツジェラルド / 始まり / 応答責任

研究開始時の研究の概要

モダニズム期のアメリカ人作家F. スコット・フィッツジェラルドの時間のモチーフを、問いとしての「始まり」と「応答責任」という主題から再考する。フィッツジェラルド作品は、行為や出来事に「始まり」を措定する態度を根源的に問い直し、その行為や出来事に対し、明確な理由を持ち得ないまま向き合う態度を要請する。そこでは、作中に登場する“responsibility”という感覚が、明確な理由から押し付けられる「責任」ではなく、問いから生じる「応答」としての側面を帯びる。この「応答責任」と呼ぶべきものを現代の責任概念の問い直しと共鳴させつつ、現代において読まれるべき新たなフィッツジェラルド像を立ち上げる。