研究課題
基盤研究(C)
本研究は、これまで美術史や芸術学の範疇で、作品に従属あるいは先行するものとしてとらえられがちであった宣言文(ここでは未来派の宣言文をさす)を、文学フィールドにおいて、それ自体としてみるという試みである。次の4つのタームにより、応募者が新たに提起する「宣言文文学」が言い表される。宣言文が、連署によって主語が「わたし」から「われわれ」となる「非所属性」、いわゆるプロの文筆家によるものではないことから生まれる「非特権性」、多ジャンルのアーティストが関わることから生まれる「ハイブリッド性」、時局に応じ臨機応変に用意されるジャーナリスティックな「即応性」、である。