| 研究課題/領域番号 |
24K03784
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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| 研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
近藤 昌夫 関西大学, 外国語学部, 教授 (80195908)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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| キーワード | チェーホフ / 鉄道文学 / クロノトポス / ペテルブルク神話 / 鉄道・馬車 / 電信電話・手紙 / 移動 / アレクサンドル3世 |
| 研究開始時の研究の概要 |
これまで応募者は、通説として受容されてきた「ペテルブルク神話」の文学的原点をテクストに基づいて論証した後、神話のその後の変遷を、農奴制を経済基盤とする1830年代から1840年代末の「コロムナ文学」(貧民区コロムナを舞台にした一連の作品)で明らかにしてきた。すなわち、プーシキンによって創造された神話『青銅の騎士』が言明するロシア近代の社会秩序「分断と調和の願望」が、その後ゴーゴリ、ドストエフスキーの作品によって読み替えられ、修辞化していったのである。この成果を踏まえ、本研究では資本主義と近代科学技術が浸透するアレクサンドル3世時代の文学作品に社会秩序の変化と要因を考察する。
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| 研究実績の概要 |
2024年度はガルシンの鉄道小説『信号』を再考後、ガルシンが斬新さを高く評価したチェーホフの鉄道モチーフの検討に入った。『犬を連れた奥さん』(1899)の註解作成作業に取り組むと同時に、同作品の鉄道モチーフについて所属先の東西学術研究所研究例会で報告した(『犬を連れた奥さん』の鉄道モチーフ)。 ロシアの鉄道文学は農奴解放後の反資本主義を謳った、ネクラーソフの詩『鉄道』(1865)を嚆矢とし、20世紀初頭まで、社会的弊害(自然破壊と経済格差の元凶)と進歩礼賛の両極で賛否両論を繰り返していた。『信号』でネクラーソフの鉄道文学を継承したガルシンが、斬新さを高く評価したチェーホフにも鉄道関連の作品が20編余りあり、アンソロジーも編まれている。報告では、特急列車と見送りのプラットフォームの場面が印象的な『犬を連れた奥さん』をとりあげ、詩学的観点から、全体構想に関わる鉄道モチーフの注目すべき点を指摘した。同作品における鉄道モチーフは、主人公の別れと再会の場面で用いられている。刹那的人生を享受していたグーロフは、アンナとの出会いをきっかけに自然の摂理に心をひらき、人生を相対的に観るようになる。従前の人生の問い直しが、アンナを見送るヤルタの鉄道駅で可視化され、アンナと再会するS市の劇場で遊戯「機関車parovoz」の「見立て」によって再度可視化あるいは更新されている。別離から出発へと、ふたりの関係が反転・前進する場所に劇場の階段が選ばれ、鉄道の水平動と拮抗していることから、報告ではこの小説の基本構造が「垂直のクロノトポス」(バフチン)であると指摘し、報告者の全体構想(「ペテルブルクを触媒にしたロシア近代文学の成立と特徴の解明」)に繋がる「分断と調和の修辞化」の一例を示した。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
過去3件の科学研究費(JP23520409、JP17K02631、JP21K00447)に基づく単著書『ペテルブルク神話と文学のコロムナ』(水声社)の成果を継承し、ペテルブルク神話が明らかにした「分断と調和」の修辞化の具体例を、鉄道文学をコンテクストにして、鉄道の時代といわれるアレクサンドル3世時代の作品で示すことができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
2025年度前半は、先述した口頭発表で指摘した内容を論文にまとめ公表する。その後チェーホフのその他の鉄道小説を分析し、口頭発表で明らかにした「垂直のクロノトポス」の普遍性の検証に取り組む。また、メリホヴォの「チェーホフ博物館」やモスクワの「チェーホフの家博物館」を訪問して資料を収集し、全体構想(「ペテルブルクを触媒にしたロシア近代文学の成立と特徴の解明」)を進める。
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