研究課題
基盤研究(C)
本研究は、1880-1930年代にフランスを訪問、あるいは滞在した日本人が日本語で残した文学的「証言」を検証し、文学的資料として扱うための基盤を整えるとともに方法論の提案を行うことを目的とする。日本人の「証言」をフランス語の一次資料と同等の信頼性を持つ「証言」とするには言語上の限界があるが、そのような理由をもってこれらの「証言」を欠落が多いもの、信頼性の薄いものと見なすとすれば、資料としての価値は自ずから限定されてしまう。本研究が目指すものは、むしろ「証言」の持つ曖昧さや両義性、不確かさを残したまま、それらを十全に指摘したうえでの リソース化を行うことである。