研究課題
基盤研究(C)
本研究は、18世紀後半にフランスで活躍したジャン=フランソワ・ド・サン=ランベールが『百科全書』に匿名で寄稿した項目の典拠研究を行うことによって、彼の美学、政治思想、経済思想の解明を試みるものである。分析の対象となるのは項目「立法者」「奢侈」「天才」である。これらの項目の分析を通して、無記名項目の解明という『百科全書』研究における大きな問題の解決の可能性を探ることとする。また、サン=ランベールの執筆項目の考察から、モンテスキューやエルヴェシウス、ディドロといったすでに多くの研究がなされてきた思想家の作品を新たな視点から読み直す可能性も示したい。