研究課題
基盤研究(C)
本研究は、日本近現代文学の諸作品に表れたロシア・ソ連認識およびその表象を、欧米や東アジアとの関係を視野に入れて、比較文学・比較文化史的観点から実証的に分析するものである。その独自性として、日露および日ソという二国間の文学・文化・社会関係のみならず、両国を媒介した欧米諸国と東アジアの文学・文化・社会関係も考慮する点が挙げられる。多くの近現代日本の文学者たちがロシア・ソ連を認識して表象する際、欧米と東アジアを射程に入れていた。とりわけ彼らのロシア・ソ連文学・文化に対する憧憬や、両国関係の展望への期待が、同時代の欧米や東アジアとの文学・文化・社会関係にも強く影響されていた点が解明されると予想される。