研究課題
基盤研究(C)
本研究では、我々が日常生活において声や話し方を聞いた時に話し手に関する印象を抱く過程について研究するが、その印象形成の過程で重要な役割を果たす音声的特徴に関する理解を深めることを目指す。具体的には、この種の研究では今まで、特にまとまった長さの音声(超分節)が持つ特徴に焦点を当てがちだったが、それと同様に、ラ行子音や母音「ア」といった単音の音声的特徴も、我々聞き手が行う音声に基づく印象形成において重要であることを示す。分析対象には日常的な音声だけでなく歌舞伎等の伝統芸能や時代劇の音声も用い、今までに注目されてこなかった子音・母音の多様な異音の存在を示し、それが印象形成において果たす役割を示す。