研究課題
基盤研究(C)
本研究は、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降のエストニアにおける多言語政策の調査を通じて、歴史的に地政学的緊張を抱えてきた地域における多言語共生のメカニズムを解明することを目指す。特に、個人が経験する多様な言語現象を、言語政策という枠組みを軸とした様々な時間的・空間的文脈とのつながりの中で捉え直し、マクロからミクロレベルまで多層的に形成される言語政策の変容過程を明らかにする。本研究により、言語政策過程におけるマクロ-ミクロレベルの単なる共時的2点接続に留まらない、個人を中心として連続的に展開する流動的な言語政策過程を解明し、多言語共生の政治性を実証的に理解することを目標とする。