| 研究課題/領域番号 |
24K03891
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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| 研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐久間 淳一 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (60260585)
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| 研究分担者 |
入江 浩司 金沢大学, 人文学系, 教授 (40313621)
大辺 理恵 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 准教授 (80648949)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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| キーワード | 時制 / アスペクト / タクシス / バルト海周辺諸言語 / 多言語パラレル・コーパス |
| 研究開始時の研究の概要 |
多言語パラレル・コーパスとネイティブスピーカーへの聞き取り調査によって、バルト海周辺諸言語の時制・アスペクト表現に関し、文レベルおよびテクストレベルにおける言語間の異同を特定する。また、それらの異同について、機能主義言語学、微視的類型論、地域言語学の観点から考察することにより、各言語の時制・アスペクト表現が持つ機能を、タクシス機能を含めて詳細に分析する。さらに、単言語の分析だけではわからない言語事実を指摘することで各言語の時制・アスペクト研究の精緻化に寄与するとともに、当該事象の理論的考察によって、言語類型論や時制・アスペクトの機能主義的研究全般に貢献する。
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| 研究実績の概要 |
本研究課題は、バルト海周辺で話されている諸言語におけるテンス・アスペクト表現を横断的に対象とするものであるが、テンス・アスペクトの体系はそれぞれの言語で異なるため、テンス・アスペクト表現の中で何を主たる研究対象とするかをまず決める必要がある。本年度は、4月20日、7月21日、11月3日の3回にわたって、オンラインで打ち合わせを実施し、初回の打ち合わせでは、各自が専門とする言語におけるテンス・アスペクト現象について認識を共有した上で、研究の方向性について意見交換を行った。意見交換の結果を踏まえ、最初の取組として、各言語における過去時制と完了時制の使い分けに関し機能主義言語学、微視的類型論、地域言語学の観点から分析を進め、2回目以降の打ち合わせにその結果を持ち寄ることとした。合わせて、パラレル・コーパスの拡張にも取り組んだ。 各言語に関する取り組みは下記の通り。フィンランド語では、状態変化を表す動詞で、過去形よりも過去完了形が使用されやすいことを確認した。アイスランド語とフェーロー語については、過去の語りにおける過去形や過去完了形の使用をパラレル・コーパスで調べた結果、両言語間でほとんど差がないことが確認できた。リトアニア語とロシア語に関しては、アスペクトとテンスの関係、および存在・連辞動詞+過去分詞からなるパーフェクト形の使用における類似と差異を調査し、ヴィルニュス大学の専門家らと意見交換を行った。デンマーク語、スウェーデン語、ノルウェー語(ブークモール)については、過去時制と現在完了時制の使い分けを観察し、比較対照を行った。また、上ソルブ語の過去時制と現在完了時制は相互に置き換え可能と言われているが,書きことばでは過去時制が多く用いられ,話しことばでは現在完了時制が多く用いられることが確認できた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
定期的に打ち合わせを行うことにより、バルト海周辺諸言語における過去時制と完了時制の使い分けの実態に関して研究参加者間で知見を共有し、研究を次のステップに進める足掛かりを作ることができた。また、バルト海周辺諸言語は系統を異にする言語から構成されているが、適切な観点を選ぶことにより、機能主義言語学、微視的類型論、地域言語学の観点から、系統の違いを超えて有効な分析が可能なことを示すことができた。パラレル・コーパスの構築も当初の計画通り順調に作業を進めることができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
次年度は、引き続き、過去時制と完了時制の使い分けについて、系統的に近い言語同士の比較対照だけでなく、バルト海周辺地域における言語間の影響関係も視野に、より高次な分析を行う。また、過去時制と完了時制の使い分けだけでなく、系統を越えて言語間の比較が可能な現象について検討を行う。定期的に打ち合わせを行うほか、バルト海周辺諸言語以外の言語のテンス・アスペクト表現についての知見も取り入れるため、専門家を招いて研究会を開催する。次年度は、本年度の冬に開催予定のところ、諸般の事情で延期した研究会と合わせて、2回研究会を開催する。
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