| 研究課題/領域番号 |
24K03892
|
| 研究種目 |
基盤研究(C)
|
| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分02060:言語学関連
|
| 研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 彰 大阪大学, 大学院人文学研究科(言語文化学専攻), 教授 (90312438)
|
| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
|
| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
| 配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
| キーワード | メディアディスコース / 政治ディスコース / ナラティブ / レトリック / 談話研究 / メディア |
| 研究開始時の研究の概要 |
ロシアによるウクライナ侵攻についての政治とメディアのディスコースを分析することにより、指導者たちが用いたレトリックと各メディアによるその描き方を浮き彫りにするのが本研究の狙いである。また本研究は、宇露日米における政治とメディアのディスコースの比較・対照を行う点と、マルチモード分析(複数のモード、つまり社会的に形作られ、文化的に定められた意味生成のための記号資源を対象とする分析)を行う点に独自性がある。
|
| 研究実績の概要 |
本研究は、世界的な有事において指導者たちが何をどのように語ったか、またそれをメディアがどう報じたかを検証するものである。具体的には、2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻について、ウクライナとロシア、および日本と米国の指導者が行った演説や記者会見、またそれらに関して各国メディアが行った報道を分析する。ウクライナ侵攻についての政治とメディアのディスコース分析を通して、大衆に自らのイデオロギーや行動の正当性を訴えかけるために指導者たちはどのような弁論術/レトリックを用いたのか、またメディアはそのうちの何を伝え、何を伝えなかったのかを明らかにするのが本研究の問いである。 今年度は、ロシアによるウクライナ侵攻に際して日本の指導者が行った記者会見、またそれに関して日本のメディアが行った報道を分析した。具体的には、会見において「しっかり」や「断固として」などのさまざまな強調語を用いたり、「力による一方的な現状変更」また「国際秩序の根幹を揺るがす」などのフレーズを何度も繰り返したり、「懸命の努力」「最大限努力」「全力を尽くす」「できる限り」などの類似したフレーズを多用することで、当時の首相である岸田氏が、直面する問題に真摯に取り組んでいるという印象を与えようとしていることを示した。一方、日本の主要紙は、主に政治問題に関連する彼の発言を引用はしているものの、むしろ燃料価格高騰などの経済問題に焦点を当てており、岸田氏の発言の一部のみしか伝えていない(報道に偏りがある)ことがわかった。これらのことから、メディアの議題設定(ゲートキーピング)効果を考慮すると、岸田氏の記者会見に関する一連の報道には政治問題の深刻さを矮小化してしまう可能性があることを指摘した。
|
| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
3: やや遅れている
理由
勤務校における教育負担の増大(夜間や週末の業務が求められる職務の担当)により体調を崩し、想定よりも研究が遅れている。その負担があまりに重すぎるがゆえに、本来は次年度(2025年度)末までであった当該業務の担当を今年度(2024年度)末で外れることになったため、次年度はより研究に取り組むことができると考えられる。
|
| 今後の研究の推進方策 |
韓国語母語話者で韓国の大統領の発言を研究している研究者と話す機会があり、本研究とも接点があるため研究協力の申し出を受けたことから、研究対象に韓国大統領の演説とその報道を含めることを検討中である。そうすることで、より広範な国際比較が可能になることを期待している。
|