研究課題
基盤研究(C)
7~8世紀イングランドでラテン語で聖人伝を著したBedeやFelixが模範としたのがHieronymus『最初の隠修士・聖パウルス伝』である。中世イングランドの聖人伝を語るうえで重要な作品であるにもかかわらず、『聖パウルス伝』の原典テクストは現在のフランス、ドイツで流布していた写本に依拠して19世紀に校訂したものしかなく、中世初期イングランドで読まれていたと想定される『聖パウルス伝』の校訂テクストは存在しない。本研究では中世初期イングランドの『聖パウルス伝』の校訂テクストを作成し、この作品を利用して制作されたラテン語、古英語・初期中英語の聖人伝の定型表現について調査する。