• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

文生成コンピュータプログラムの構築:より経済的な理論の開発を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 24K03964
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02080:英語学関連
研究機関京都大学

研究代表者

Ginsburg Jason  京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (80571778)

研究分担者 松本 マスミ  大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10209653)
寺田 寛  大阪教育大学, 教育学部, 教授 (90263805)
研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2028-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード統語理論 / コンピュータモデル / 併合 / 英語構文 / 生成文法 / 英語学
研究開始時の研究の概要

本研究ではコンピュータの優れた処理能力をいかして、人間が自然に扱う言葉を研究する。ミニマリスト・プログラム(Chomsky 1995)と呼ばれる言語学の接近法は最小限の理論的道具立てを用いて、言語の正体を究明しようとする取り組みである。本研究では、ミニマリスト・プログ ラムに基づいた統語理論の研究を検証するためのコンピュータプログラムを構築する。このプログラムは大量の英文データ(疑問詞疑問文、制御構文、動名詞構文、関係節、難易構文)の構造を正確に示せるように開発する。本プログラム構築とそのアウトプットを検証することにより、統語理論の正確性を確認し、究極的に人間の言語機能の解明に貢献できる。

研究実績の概要

本研究が対象としているコンピュータモデルにChomsky(2021,2024)などが提案する最新言語学理論の枠組みを取り入れた。英語の基本的な肯定文、疑問文、不定詞構文、制御構文の生成に成功した。言語学理論の主要な概念や問題点に触れつつ、対象とするデータを本モデルでどのように生成できたかを論文で詳述した。この論文を学術雑誌『Biolinguistics』に投稿し、査読を経て採択され、2024年12月に掲載された。本論文の対象となる構文の完全な派生をウェブ上で一般公開した。
本研究が対象とするコンピュータモデルを用いて、虚辞構文をどのように生成できるかについての論文作成にも注力した。学術雑誌の査読を受けて論文を書き直し、再投稿した。現在は査読中である。
本モデルにおける自由併合操作と制御構文に関する研究成果を分担者の寺田寛と共に2024年の5月に行われた日本英文学会第96回大会で口頭発表した。この発表に関する論文はウェブ上の大会プロシーディングスで一般公開された。
海外研究協力者Sandiway Fongと分担者の寺田寛と松本マスミと共同で、最新の言語理論に基づいて日本語における複合動詞構文の研究を行い、統語分析を行った。2024年の5月に行われた日本英語学会春季フォーラムでポスター発表を行った。また、複合動詞構文に関する論文執筆に力をいれた。
2024年には、海外研究協力者を京都大学に2回(6月と12月)招聘し、最新の言語学理論に関する打ち合わせを行った。12月8日には、京都大学で無料一般公開の言語科学レクチャーを開催し、海外研究協力者は最新の言語学理論における経済性と強い極小主義テーゼについて発表した。京都大学名誉教授の藤田耕司がディスカッサントとしてコメントを提供した。このレクチャーを通じて、言語学理論の現在と今後の方向性について有意義な議論を行うことができた。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の対象であるコンピュータモデルには、自由併合の過剰生成を避けるように、内部併合を連続して行えないという趣旨の制約を導入した。そして、付票貼付、コピー形成操作をモデルにとりいれ、改竄禁止条件に違反するような操作(素性継承と主要部移動)を排除した。モデルを簡潔化しようとすると、モデルの音声部門(統語構造を発音する語彙に変化する部分)がより複雑になる課題が浮上し、今後はこの点に注意する必要がある。
データ収集と考察に関して、英語の基本的な疑問詞疑問文をモデルに取り入れることに成功できた。しかし、取り組む予定の多重疑問詞疑問文をまだ取り入れることができなかった。
分担者及び海外協力研究者と研究内容について相談し、共同研究を実施した。極小主義理論の立場から対象となる言語現象を説明する上で必要な最小限の条件は何かについて相談できた。特に、複合動詞構文と動名詞構文について相談した。
問題解決にも取り組んだ。モデルに新しいデータを取り入れたことにより、対象となる構文の過剰生成が生じた。また、統語構造(主に不定詞構文や動名詞構文)における付票がどのように決定されるのかが明らかではないという問題も生じた。このような問題を解決するために、先行研究や英語以外の言語のデータを参考にし、モデルを改良した。
研究成果の公表にも注力した。本研究に関する論文を学術雑誌『Biolinguistics』に投稿し、査読を受けた上、掲載された。また、制御構文に関する口頭発表を日本英文学会第96回大会で行った。複合動詞構文に関するポスター発表を日本英語学会春季フォーラムで行った。そして、海外研究協力者Fong及び京都大学名誉教授の藤田耕司を招き、京都大学で一般公開されたレクチャーを開催した。加えて、学術雑誌への研究成果の公表に向けて、英語の虚辞構文と日本語の複合動詞に関する論文執筆に注力した。

今後の研究の推進方策

2024年度に引き続き、今後も構築中のコンピュータモデルを拡大することに取り組む。動名詞構文を本モデルに取り入れることに成功できたが、この構文の構造に関する課題が残っている。特に、付票貼付はどのように行われるか曖昧な場合があり、そして動名詞構文の主語の受動化が可能な場合(John was seen swimming)と不可能な場合がある(*John was preferred swimming)。このような言語事実を説明できるように今後、本モデルを改良する予定である。また、前年度、モデルに取り入れることができなかった多重疑問詞疑問文を入れる予定である。多重疑問詞疑問文に関して、疑問詞の位置と疑問詞を含む句の付票貼付に関する課題を研究する予定である。
海外協力研究者Sandiway Fongと分担者の寺田寛と松本マスミとの討論を重ねながら分析を行う予定である。打ち合わせを行うことでより効率よく、本研究課題の問題点を把握・解決でき、論文作成を進めることができる。直接会って研究打ち合わせを行うことができない場合も多いため、ウェブ会議システムとメールなどを適宜利用する。また、Fongを京都大学に招聘して、ワークショップを実施する予定である。
研究成果公表にも力を入れる。虚辞構文に関する論文は現在査読中である。そして、今年度中には、動名詞構文と複合動詞構文に関する別々の論文を学術雑誌に投稿する予定である。また、2025年の5月に行われる日本英文学会第97回大会では、英語の動名詞構文に関する発表を寺田寛と行う予定である。
そして、言語学関連の学会やワークショップにも参加し、最新の言語学理論に関する知見と研究成果を収集して、今後の研究に活かしていく。

報告書

(1件)
  • 2024 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) 備考 (2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [国際共同研究] University of Arizona(米国)

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [雑誌論文] コピー形成と自由併合:英語と日本語のコントロール構文を例に2024

    • 著者名/発表者名
      Jason Ginsburg、寺田寛
    • 雑誌名

      日本英文学会第 96 回大会(2024年度)Proceedings

      巻: -

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Constraining Free Merge2024

    • 著者名/発表者名
      Jason Ginsburg、寺田 寛
    • 雑誌名

      Biolinguistics

      巻: 18 ページ: 1-60

    • DOI

      10.5964/bioling.14015

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] コピー形成と自由併合:英語と日本語のコントロール構文を例に2024

    • 著者名/発表者名
      Jason Ginsburg、寺田寛
    • 学会等名
      日本英文学会第 96 回大会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会発表] Reconciling serial verbs with Labeling and Theta Theory2024

    • 著者名/発表者名
      Jason Ginsburg, Sandiway Fong, Masumi Matsumoto, Hiroshi Terada
    • 学会等名
      The English Linguistic Society of Japan (ELSJ) 17th International Spring Forum
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [備考] Minimalist Modeling

    • URL

      https://ginsburg-lab.h.kyoto-u.ac.jp/MinimalistModeling.html

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [備考] Tree Drawing Program

    • URL

      https://ginsburg-lab.h.kyoto-u.ac.jp/JGTreeDrawingProgram.html

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書
  • [学会・シンポジウム開催] 京都大学 言語科学レクチャーシリーズ On the Strong Minimalist Thesis: Towards Efficient Computation and Perception2024

    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2024-04-05   更新日: 2025-12-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi