| 研究課題/領域番号 |
24K04077
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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| 研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石崎 俊子 名古屋大学, 言語教育センター, 准教授 (70402378)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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| キーワード | 異文化間能力 / ケース学習 / 異文化間能力モデル / グローバル社会・多文化共生社会 / 問題解決能力 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「ケース学習」を用い、異文化間能力の達成度を異文化間能力モデルを理論的枠組みとして分析することにより「ケース学習」が異文化間能力の習得に有効であるかどうかを明らかにし、異文化間能力の育成に役立てたいと考える。
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| 研究実績の概要 |
本年度は、異文化間能力の構成概念の再検討および異文化間能力モデルの構築に重点を置いて取り組んだ。現代のグローバル社会および多文化共生社会において、異文化間能力(Intercultural Competence)の重要性は一層高まっており、教育分野においてもその体系的な育成が強く求められている。しかし、異文化間能力の定義や評価方法にはいまだ統一的な見解がなく、効果的な育成手法も確立されていないのが現状である。 そこで本年度は、まず異文化間能力を構成する要素の再定義を行った。さらに、その発達過程を実証的に評価するため、Deardorff(2006)の異文化間能力ピラミッドモデルを基に、新たな理論モデルの構築を試みた。これにより、異文化間能力は単なる知識の習得ではなく、文化的相違に柔軟に対応する実践的スキルの育成が求められるという新たな視点を提示することができた。 以上の成果により、異文化間能力の構成要素およびそれらの相互関係を再定義し、育成のための理論的基盤を整えることができたと考える。これにより、異文化間能力の効果的な育成手法として「ケース学習」を実践的に応用する道が開かれ、今後の柔軟な検証にもつなげることが可能となった。 当初の計画では、本年度中に第1回目のケース学習を実施する予定であった。しかし、準備期間やモデル構築の作業に想定以上の時間を要したため、実施には至らなかった。しかしながら本年度に構築した異文化間能力モデルや理論的枠組みは、ケース学習の実施に向けた確かな基盤となるものであり、次年度において十分に応用可能であると判断している。したがって大きな問題とは捉えておらず、むしろ内容の充実や検証の精度を高めるための前向きな調整であったと考えている。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、異文化間能力の構成概念の再考および異文化間能力モデルの確立を中心に進めた。現代のグローバル社会および多文化共生社会において、異文化間能力(Intercultural Competence)の重要性は増しており、教育分野でもその育成が求められている。しかし、異文化間能力の定義や評価方法については未だに統一的な見解が欠如しており、異文化間能力を効率的に育成する方法も確立されていない。 本年度は、異文化間能力の構成要素を再定義した。異文化間能力とは、異なる文化背景を持つ人々と効果的にコミュニケーションをとり、協力し、問題解決に取り組むために必要な知識、態度、スキルを包括する能力であり、これらは相互に関連し合いながら育成されるべきものである。この再定義により、異文化間能力が単なる知識の習得にとどまらず、実践的な応用力や柔軟性が重要であることが明確となった。 また、異文化間能力の発展を実証的に評価するために、Deardorff(2006)の異文化間能力ピラミッドモデルを基に、新たな理論モデルの確立を試みた。このモデルでは、異文化間能力が「態度」「知識」「スキル」などの基盤的要素から、最終的には「適応能力」や「問題解決能力」など高度なスキルに進化する過程を示している。これにより、異文化間能力が一方向的な知識習得ではなく、実際の文化的相違に対応するための実践的なスキルを育成するべきだという新たな視点が加わった。 本年度の成果により、異文化間能力の構成要素とその相互作用を再定義し、異文化間能力を育成するための理論的な基盤を整えることができた。これにより、異文化間能力を育成するための実証的なアプローチが確立され、教育現場での応用が期待される。今後は、異文化間能力の効果的な育成方法としての「ケース学習」の可能性をさらに検証し、多文化共生社会の実現に向けた一歩を踏み出すことができたと言える。
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| 今後の研究の推進方策 |
今年度、異文化間能力の構成概念を再考し、そのモデルを確立したため、今後は実際に「ケース学習」を実施し、異文化間能力のモデルに基づいてその効果を検証する予定である。「ケース学習」は実際のケースを基に学生が討論を行う形式で進められ、学習者が異文化を理解し、問題解決能力を高めることを目指す方法である。これにより、異文化間能力を育成するために有効な学習法としての「ケース学習」の可能性を探る。 本研究では、異文化間能力モデルに基づき、対象を変更しながら「ケース学習」を実施する予定である。それぞれの実施後には、参加者にふりかえりシートや異文化に対する意識を反映させたレポートを提出させ、その前後での意識の変化を確認する。また、異文化間能力のモデルにおける自己評価をアンケートで収集し、学習者自身の到達度を測定する。このようなデータを収集し分析することで、「ケース学習」が異文化間能力を高めるために有効かどうかを検証する。 さらに、ケース教材を討論する学生自身に作成させることも検討している。既存のケース教材を使用する場合と、学生が自ら作成したケース教材を使用する場合とで、異文化間能力の向上にどのような違いが生じるのかを比較し、その効果を明らかにしたいと考えている。このプロセスにおいて、学習者は自身の文化的背景に気づき、異なる文化との関わり方を意識することが期待される。 加えて、インタビュー調査も行い、前述のデータと照らし合わせることで、異文化間能力の達成度をさらに深く分析する予定である。ケース学習の実施を通じて、学習者が異文化間能力のモデルにおけるどの段階に到達したのかを評価し、ケース学習が異文化間能力を習得するための有効な学習方法であるかどうかを検証する。
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