長良川鵜飼は、歴史的継続性、漁の技術的な高さで特筆される(重要無形民俗文化財)。 しかし、その近世に関する研究では、権力との結び付きが強調され、地域社会との関わりは、一部明らかになるのみである。また、長良川鵜飼の鵜匠は、近世以来、長良と小瀬に居住していたが、小瀬の鵜匠については十分にこれまで検討されてこなかった。さらに、近世史研究において、従来、海の漁場利用が検討の中心であったが、資源が限られている河川での利用についても歩みを進め、その再検討を行う。 本研究では、「近世において長良川鵜飼がいかに地域社会と関わり存続してきたのか?」を検討し、長良川鵜飼像やその歴史的意義を再評価することを目指す。
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