研究課題
基盤研究(C)
1930~40年代の日本においては、メディアが〈政治〉をテーマとする展覧会を百貨店などで開催していた。このような展覧会の実態と機能を検討することで、展示によって視覚化された〈政治〉の意味を解明することが、本研究の目的である。これらの展覧会の展示は、広く社会に向けて、大日本帝国憲法・日本国憲法のもとでの政治体制を正当化するものとして構想されていたと想定される。実物による政治的啓蒙の技法が政治・メディア・学知の力学のなかでどのように形成されていったのか。この問いは、政治史の実証研究にとどまらず、「政治のスペクタクル化」というべき研究領域を切り開くことにつながるはずである。