本研究は、朝鮮戦争の勃発を受けて1950年に創設された警察予備隊(のち自衛隊)をめぐり、それを受容した地域社会におけるさまざまな動向を解明しようとする事例研究である。戦後日本の再軍備過程に関しては、主として冷戦をめぐる国際関係や国内政治史の立場から研究が進んでいるが、国内の地域社会に視点を据えて、自衛隊を受容して共存していこうとする地域有力者と、それに反発する勢力との角逐については、かならずしも研究は多くない。そうした視座のもと、1950年に警察予備隊が立地した新潟県高田市(現上越市)を研究対象とし、再軍備をめぐる地域社会の受容と抵抗の具体像を解明していく。
|