研究課題
基盤研究(C)
中世荘園制は、基本的には京都・奈良などの中央都市に所在する荘園領主が、自らが公的・国家的役割を担い、またその家産経済を維持するため、地方において設定する自らの経済基盤である。しかし、中央に所在する荘園領主が、地方に立地する荘園を円滑に支配するためには、荘園領主と現地の荘園を媒介する現地の代官(荘官)の役割が不可欠であり、その実務能力の如何が荘園経営の成否を左右した。但し、そうした荘官の実務能力は、荘官個人の資質もさることながら、荘官が荘園が立地する地域社会からの信頼を得るための何らかの「仕組み」が存在したはずである。本研究は、その「仕組み」の実態を解明することを目的とするものである。