研究課題
基盤研究(C)
19世紀後半の清朝が、西洋諸国に対し守勢に立っていた背景には、軍事力に加え、地理情報の差があった。しかし、西洋との差をうめるべく、清朝はどのような西洋製地図を集め、地名等を中国語にした翻訳図を作製し、政策決定や外交交渉に活用したかは、よく分かっていない。本研究では、西洋製地図の収集と翻訳図作製の検討を通じて、西洋を相手に主体的な外交を試みる清朝の姿を明らかにし、翻訳図を清末政治・外交史および中国地図史上に位置づけることを目的とする。