研究課題
基盤研究(C)
トハーリスターンの在地社会の様相は,資料不足から,長らく未解明の状態であった。90年代以降,同地域で使用されていたバクトリア語の世俗文書が大量に発見・解読され,歴史研究に利用することが可能となったにもかかわらず,この状況は改善されていない。そこで本研究は,これまでほとんど着目されてこなかった手法,すなわち,バクトリア語資料から得られる情報とソグドやコータンなど中央アジアの他地域の情報との比較研究,および同地域内の各所に存在した可能性が高い地方性の探求を通じて,当該地域のイスラーム時代以前の在地社会に対する理解を深化させ,今後の発展的研究のための基盤を形成することを目指す。