研究課題
基盤研究(C)
本研究は問題解決手段としての「交換」行為に注目し、初期中世ヨーロッパ社会の人々が、いかなる状況において、どのような目的で「交換」行為を選択し、それによって社会内で何が達成されたのか、どのような問題がどのように解決されたのかという問いに取り組む。具体的には①土地財産をめぐる紛争の解決手段としての「交換」の分析、②知的リソースの相補的拡充のための修道院・司教座教会間蔵書交換と交換ネットワーク形成の分析、③外交関係の創出・維持・問題解決のための使節・書簡・貴重品の累積的「交換」の分析、という3つのサブテーマを設け、問題解決手段としての「交換」行為の機能や様態、社会的意義を明らかにする。