研究課題
基盤研究(C)
中国河北省にある響堂山石窟は北斉皇室が開鑿に深く関わり、北朝末期の仏教を代表する石窟として扱われてきた。その響堂山石窟には隋・唐時代の仏龕が多数残されており、長期間にわたって信仰の中心となっていたことが知られる。本研究では響堂山石窟をひとつの遺跡群としてとらえ、龕窟構造や造像の時代的特徴を整理し、変化を明らかにしたうえで、周囲の石窟造像や造像碑などの仏教遺跡と比較検討することで、響堂山石窟を含む華北地域の北朝から隋唐という重要な時期の歴史的な動きをより具体的にとらえなおす材料を提供したい。