研究課題
基盤研究(C)
古代エジプト古王国時代のクフ王のピラミッド葬祭施設には5基の船坑が造営され、2基には実物の木造船が納められていた。そのうちの1隻であるクフ王第2の船は、1,700点に及ぶ部材で構成されており、解体された状態で埋納されていた。部材に残された痕跡から一度組み立てられた完成品であることは間違いないが、どのような過程を経てピラミッド脇の船坑に納められたのかは明らかにされていない。また葬祭儀礼上どのような役割を果たしたか、船を埋納する儀礼行為の実像も不明瞭である。本研究では実物資料の考古学的分析を基に造船から埋納されるまでを復元し、船を埋納する儀礼行為の実像の一端を明らかにする。