研究課題
基盤研究(C)
南コーカサスでは、西アジア(肥沃な三日月地帯)からの移民が前6000年ごろに農耕を開始した。その後は前6千年紀半ばにかけて農耕が定着するなかで、当初の西アジア型農耕が次第に南コーカサス独自の現地型に変化する。本研究では、南コーカサスで農耕が現地化するプロセスを、植物利用にかかわる空間利用の変化から考察する。農耕開始直後で西アジア型のハッジ・エラムハンル・テペと、定着後で現地型であるギョイテペという2つの遺跡で実施した詳細なサンプリング資料を基に、両遺跡の植物遺存体の平面分布を復元・比較して、農耕開始期と定着後の空間利用にどんな変化が起きていたのかを明らかにする。