研究課題
基盤研究(C)
東アジアでは王都や都市の周囲を城壁で囲む。これを模倣した日本の王都を都城という。藤原京・平城京ではじめて成立した。王宮の周囲には条坊という閉鎖的な居住空間が出現した。このような空間の出現は日本歴史でははじめてのことである。その結果、人々や社会に何が起こったのであろうか。本研究では藤原京・平城京という都城に焦点をあて、生活史・環境史の視点から、都城の成立によって、人々の生活や社会がどのように変化したのかを、都城成立以前の飛鳥宮跡との遺構・遺物の比較分析から明らかにする。これまでの政治史的な視点からではなく、より人々の生活や社会に密着した立場から都城の成立の意義を捉えなおす。