研究課題
基盤研究(C)
本研究は、染色・絵画文化財の彩色材料、とくに絵具として重要な役割を果たす『白』を基軸として、種々の彩色材料のナノ構造などの材料科学的側面から、わが国の美術史に通底する色材・素材の歴史を明らかにするものである。これまでの研究から、日本の彩色材料(絵具)として想定されてこなかった色材の使用が明らかになってきており、材料を選択的に使い分けることで多様な絵画表現を可能にしていたと考えられる。それらの観点から、先端的分析手法で彩色材料の物性を蓄積し、絵画技法あるいは種々の色材と組み合わせて得られる視覚的効果など、発色のメカニズムおよび退色・劣化挙動から保存性を評価する。