| 研究課題/領域番号 |
24K04409
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分04010:地理学関連
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| 研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
石崎 紀子 国立研究開発法人国立環境研究所, 気候変動適応センター, 主任研究員 (20843212)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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| キーワード | 統計的ダウンスケーリング / 移植可能性 / 外挿問題 / 適用限界 / 機械学習 |
| 研究開始時の研究の概要 |
気候予測の結果を地域詳細化する方法として、人工知能を含む統計的手法が近年注目されるようになっているが、過去期間で構築された統計関係が異なる気候に適用できるかどうかは十分に検証されていない。本研究では、高い空間解像度で実施された力学的DSの結果を正解として、様々な統計的DSが将来気候における気温や降水量、風速の特徴を捉えることができるのかどうかを調査する。また、それらが全球昇温量に応じてどの程度変化するのかを調べ、各統計的DSデータの適切な利用範囲を示す。これにより、今後の統計的DS開発における手法検証の指針を示すことが期待される。
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| 研究実績の概要 |
本研究では、気候情報の地域詳細化(ダウンスケーリング)における統計的手法の前提が将来気候においてどこまで成り立つかを詳細に検討し、統計的ダウンスケーリングによって得られるプロダクトを気候影響評価等で活用するための有効なガイドラインの提供を目的としている。令和6年度は、格子間隔約20kmのMRI-AGCMと、それを基に力学的にダウンスケールした格子間隔約2kmのNHRCM02による現在気候データを用いて、統計手法のトレーニングを行い、将来気候への適用実験を実施した。その上で、統計的手法によって得られた将来の地域スケールの気温場を、将来気候に対して実施された力学的ダウンスケーリング(NHRCM02)結果と比較した。バイアス補正手法であるCDFDMと、深層学習を用いた画像処理手法であるpiSRGANにより生成された気温場について検討した結果、CDFDMはMRI-AGCMが示す将来変化の大局的傾向を反映していたものの、MRI-AGCMの地形に強く依存しており、NHRCM02の結果とは大きく乖離していた。また、piSRGANにおいても、気温の出現頻度分布がトレーニング期間と大きく異なる将来気候下では、現実的な地上気温の再現が困難であった。これらの手法はいずれも過去期間での評価では高い性能を示していたが、温暖化が進行した気候条件下では改良の余地があることが明らかとなった。piSRGANについては、領域平均気温からの偏差を説明変数として用いることで、将来気候への適用可能性が大きく向上する可能性が示唆された。さらに、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いて複数の予測変数から将来の積雪深を推定した結果、用いた全球モデルは異なるものの、将来の積雪変化傾向に整合性が認められた。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
令和6年度に実施を予定していたアナログ法による気候データの作成は行わなかったものの、モデル構築に時間を要すると見込まれていた機械学習手法の一種(piSRGAN)によるダウスケーリングを実施することができた。一方で、統計的手法を将来気候に適用した際に課題が生じた場合、それが説明変数やモデルの改良によって回避可能かどうかを検討することも重要であり、こうした改良と検証にも相応の時間を要することが明らかとなってきた。これらを踏まえ、適用する統計的手法の数は、当初の予定よりも絞り込む方針である。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は降水量や風速、日射量などにも着目し、統計的手法の妥当性の評価を行う。引き続きMRI-AGCMとNHRCM02を学習データとして他の統計的手法にも適用し、検証を進めると同時に、手法の改良や適切に使用できる限界などについて調べ、研究成果を公表する。
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