研究課題
基盤研究(C)
セネガル国民の95%はムスリムだが、サハラ以南アフリカの、ムスリムが多数派を占める他の諸国とは異なって、そこには暴力的イスラーム主義諸集団が存在しない。それらの集団は、世俗国家の破壊とイスラーム国家の樹立を目指すが、セネガルでは、世俗国家がイスラーム神秘主義諸教団を保護し、諸教団は国家の平和と繁栄のために国家に協力するという関係が存在し、世俗国家とイスラームとが対立しないからである。ニアセン教団の祖であるイブラヒマ・ニアスは、宇宙の万物は神の自己顕現であるから、尊重し愛すべきだと説き、セネガルの、ひいては世界の平和を訴えた。イスラーム神秘主義教団は、暴力的イスラーム主義に抗する防波堤である。