研究課題
基盤研究(C)
グローバリゼーションは、世界各地に「監査文化」を浸透させ、宗教が「世俗」と向き合う方法とその意味を再編してきた。タイでは、仏教(仏教者・仏教組織)に集まる布施(特にカネ)が量的に増加するなかで、布施の使用・管理をめぐってアカウンタビリティが鋭く問われつつある。本研究は、タイにおける布施をめぐるアカウンタビリティの実践を、布施の与え手と受け手の双方が教義の新たな意味を探求し、宗教をかたちづくるプロセスとみなし、そのプロセスを歴史的・民族誌的に描出する。また、日本やアメリカに広がるタイ仏教も比較対象に位置づけ、より普遍的な観点から現代の宗教について記述・分析するための視点と方法を考究する。